ガーデンセラピーとは? その6 ~森林療法~
2018年02月21日
ガーデンセラピーコーディネーター1級・ガーデンセラピストの浅野栄二です。
「ガーデンセラピー」とは、
五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)を刺激する様々な療法を身近な庭で行ない、
脳や身体の機能を活性化させて、
自己治癒力の向上と健康増進を目指す取り組みです。
今回は森林療法についてお伝えします。
「森林浴」という言葉はみなさんご存知だと思います。
でも森林を浴びるというのはなんだかよくわからない表現ですよね。
視覚的に緑の美しさを浴びる?
聴覚的に静寂やせせらぎの音や野鳥の声を浴びる?
触覚的に心地よい風や澄んだ空気を浴びる?
味覚的に木の実を味わう?
どれも正解だと思いますが、
今回は嗅覚的に「森林の中に漂っているフィトンチッドという植物有効成分」を浴びる森林浴(=森林療法)についてお伝えします。
現在多くの人たちは、コンクリートやハイテク機器に囲まれて、森林や自然とは無縁の環境下で暮らしています。
でもそれは人類700万年の歴史の中ではつい最近のほんのわずかな期間であり、99.99%以上、人類は自然の中でずっと暮らしてきたといえます。遺伝子は短期間では変化できないので、現代を生きる私たちは依然として自然環境下に適応する遺伝子状態のまま、コンクリート・ハイテクジャングルに生きているのです。当然心も身体も常にテクノストレス状態にあるわけです。ストレスはうつ・パニック障害など精神疾患の原因となるばかりか、糖尿病や高血圧などの生活習慣病やがんの引き金にもなるといわれていますよね。これらの病気を予防・改善するためには、自然環境が好きな遺伝子に合わせて、できるだけ自然環境下に身を置くことが一番シンプルな方法といえます。
森林浴をすると、単純に癒されますし、悪路の坂道を歩くことによって足腰や心肺機能、バランス感覚の強化にもなりますが、前述したフィトンチッドを浴びるという大きなメリットもあります。フィトンチッドを浴びるとどうなるかというと、交感神経活動の低下と副交感神経活動の上昇、つまり心と身体がリラックス状態になります。また血糖値の低下、うつ病の緩和、動脈硬化の改善、がん細胞を殺すNK細胞の活性化などが様々な実験によって明らかになっているのです。特に驚きなのは血圧です。高血圧の人は血圧が下がり、低血圧の人は血圧が上がるという実験結果があるそうです。つまり西洋医学的な対症療法ではなく、原因療法として身体を正常に近づけていく東洋医学的な効果があるんですね。
(参考文献:宮崎良文編「自然セラピーの科学」)
ドイツでは、森林浴の医学的効果が早くから認められており、森林浴に対して健康保険が適用されているそうです。
ガーデンセラピーでは、森林浴効果のある環境を自宅の庭に作り、
わざわざ遠い森まで行かずに身近な庭で継続的に森林療法を実践しましょう、ということをお伝えしています。
森林療法といっても何もしなくていいのです。木々に囲まれた庭の中にただ居るだけでいいのです。
フィトンチッドと一口に言っても、実は様々な成分があります。
上記参考文献ではマツ・ヒノキ・スギなどに含まれるαピネン・リモネンによる効果が多数紹介されているので、
やはりこれらの針葉樹が効果大だと思います。
しかし個人の庭ではスペースに限りがありますので、
コンパクトに管理できる園芸用の針葉樹(コニファー)を植えればよいかと思います。
次回は園芸療法についてお話しします!
「ガーデンセラピーとは? その1 ~ガーデンセラピーが目指すもの~」はこちらから
「ガーデンセラピーとは? その5 ~芳香療法後編~」はこちらから
「ガーデンセラピーとは? その7 ~園芸療法の効果~」はこちらから
一般社団法人日本ガーデンセラピー協会は、医学博士、学術博士、大学教授、医療機関院長などが役員・顧問を務め、学術的なエビデンス(根拠)に基づいて活動する組織です。
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