ガーデンセラピーとは? その8 ~園芸療法のポイント~

2018年04月03日

ガーデンセラピーコーディネーター1級・ガーデンセラピストの浅野栄二です。アイコン 社長

 

ガーデンセラピーについて、
今回は園芸療法のポイントをお伝えします。

園芸療法を行なう上で大切なのは、ハード面とソフト面の工夫です。
まずは設備や道具などのハード面から。

ベジトラグイメージ

例えば車いすの方が普通の畑に行っても、土面が低くて手が届かず作業ができませんが、
「ベジトラグ」という上のイラストのような背の高いプランターなら、無理なく作業ができますよね。
歩けるけど膝を曲げるのがつらいという方にも適しています。

 

ちなみに、歩行もOK、座るのもOKという場合には、
「レイズドベッド」と呼ばれる少し高さのある花壇・菜園がおススメです。

ビズ菜園1

上の写真は、廃枕木で作った、ビズガーデニングの店にあるレイズドベッドです。
まわりより高いので水はけがよく、大地に接しているので保水性もよく、
座りながらできるので作業性もよい、よいよいずくしの花壇・菜園ですよ!

その他、スコップやジョーロなどの道具も、握力の弱い方には柄の太いものを選んだりするなど、
細かな配慮が必要になります。

次にソフト面です。
ハードの準備が整った花壇で、実際に何を植えてどうやって育てるか、という部分や、
育った花や収穫した野菜をどうやって活用するかという部分がソフト面と言えます。

作業する方の身体の状態や、本人のご希望を考慮して、
無理なく楽しく続けられるようなプログラムを考えていきます。
あまり積極的に作業ができないような場合には、
小さなポット苗の花を介護者と一緒に植えてみたり、
結構体力のある方なら、大きめの野菜作りにトライしてみたり・・・。
育てる過程も大切ですが、咲いた花で押し花を作ったり、
収穫したハーブでティーパーティーを楽しんだりといった体験が、
継続性や生きがいにつながっていきます。

園芸作業の素晴らしい点は、スポーツや音楽と違い、
特別な能力や技術を必要とせず、
誰でもご自身の状況に合わせてマイペースでできることです。
普段ケアを受けている方が、逆に植物をケアすることで、
自身に対する存在意義や、社会での自分の役割を再認識できるのです!

なお、園芸作業は刃物などを扱う場合もあるので、
作業中の安全確認はもちろんのこと、
作業前後の道具の数量確認や保管体制にも注意を払いましょう。
(参考文献:原和子編 園芸療法とリハビリテーション)

次回は食事療法についてお話しします!

「ガーデンセラピーとは? その1 ~ガーデンセラピーが目指すもの~」はこちらから
「ガーデンセラピーとは? その7 ~園芸療法の効果~」はこちらから
「ガーデンセラピーとは? その9 ~食事療法~」はこちらから

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