ガーデンセラピーとは? その7 ~園芸療法の効果~
2018年02月28日
ガーデンセラピーコーディネーター1級・ガーデンセラピストの浅野栄二です。
「ガーデンセラピー」とは、
五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)を刺激する様々な療法を身近な庭で行ない、
脳や身体の機能を活性化させて、
自己治癒力の向上と健康増進を目指す取り組みです。
今回は園芸療法の効果についてお伝えします。
園芸療法とは、種まきや水やり、花がら摘みなど植物の世話をすることで、指先などの身体機能や脳の認知機能を高めるとともに、
植物の成長を助ける中で育まれる思いやりの心や充実感、達成感などを体験しながら、自尊心や社会性を高めていく取り組みです。
園芸療法の歴史は古く、紀元前より医学の創始者たちによって心身の調和を取り戻すために用いられて以来、おもに精神障がいや知的障がいのある人たちに対して行なわれてきました。
園芸療法の効果が医学的に実証されていく中で、現在では病状、障がい、年齢、性別を問わず、心身のあらゆる機能を向上させる効果があるとして、日本でも様々な施設や病院で実践されています。
具体的には下記のような効果があることが、様々な研究者によって実証されているそうです。
*花壇まで行き指先や腕を動かすことで全身の運動機能が向上する
*水やりの量や回数、開花時期などを意識することで認知機能が向上する
*入院中・療養中など単調で不自由な生活環境の中で五感を刺激することによりストレスが緩和され心身の機能低下が予防できる
*開花・結実・収穫などの達成感を味わい自分に自信を持つことで、うつなどの精神疾患が改善され社会参加の意欲が高まる
*植物に触れたり花がら摘みなどの単純作業をすることでリラックス効果が高まる
*生き物の世話をする責任感や義務感を感じることができ社会性が高まる
*植物の世話を通して身近な人たちとのコミュニケーションが増える
*屋外作業で陽を浴びることで睡眠物質の血中濃度が下がり活動的になる
なお園芸療法は、例えば四肢がすべて機能しないなど重度の障がいをお持ちの方でも実践可能なんです。
そういう方には「この苗はどこに植えましょうか」とか「ここには何色の花を植えましょうか」とか聞いてあげてください。
日常生活のほとんどを受け身で過ごしている方にとって、植栽デザインを自分で考え作業者に指示する行為は、脳機能の活性化はもちろん、自己表現力や自尊心を高めることにもつながるのです。
なんてすばらしいことでしょう!
自分で水やりはできなくても、天気や病気や害虫の心配をしたり、開花や結実を喜べる生活環境があれば、人生を価値あるものに高めるきっかけになるかもしれませんね。
(参考文献:原和子編 園芸療法とリハビリテーション)
このように園芸療法は心身の自己治癒力向上や健康増進、生活の質(QOL)の向上に大変効果のある療法といえます。
今まで花壇や家庭菜園に関心がなかった方も、これからはお子様やご両親と一緒にチャレンジしてみてはいかがですか?
ついでに、咲いた花でリースを作ったり、収穫した野菜を使って庭でBBQをすればもっと楽しくなりますね!
次回は園芸療法の具体的なポイントについてお話しします!
「ガーデンセラピーとは? その1 ~ガーデンセラピーが目指すもの~」はこちらから
「ガーデンセラピーとは? その6 ~森林療法~」はこちらから
「ガーデンセラピーとは? その8 ~園芸療法のポイント~」はこちらから
一般社団法人日本ガーデンセラピー協会は、医学博士、学術博士、大学教授、医療機関院長などが役員・顧問を務め、学術的なエビデンス(根拠)に基づいて活動する組織です。
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