★社長ブログ★キンモクセイと娘との思い出

2017年09月27日

お庭と外構を美しく快適にするビズガーデニング株式会社、社長の浅野栄二です。アイコン 社長

埼玉県坂戸市周辺で、ようやくキンモクセイの香りが漂い始めました。
この香りとともにやってくるのが次女の誕生日。先日21歳になりました。
この時期、次女の成長を感じながら必ず思い出すことがあります。

それは12年前。
次女が小学校3年生だった時のこと。
学校で毎年秋に持久走大会が行なわれるのですが、
次女はその年も学年でビリという成績でした。
1年の時も2年の時もほぼ同じ成績だったので、
体力と根性をつけさせようと思い、
さっそく次の日曜日から毎週2人でジョギングをすることにしたのです。
しかし本当に走るのが嫌だったようで、
毎回走る前は本気で泣いたり抵抗したり・・・大変でした。
これは体力とか根性の問題ではなく、
素質や適性の問題なのかもしれないと考え、
走るのではなく、歩くことにしてみました。
でもただ歩いても面白くないので、
東京の日の出桟橋から新潟県の直江津港まで
徒歩による日本横断をしようと思いつき、
「無事ゴールできたらおいしいお寿司を1万円分食べさせてあげるよ」
というおまけつきで次女に提案してみました。
すると、その距離感を全く認識していない次女は寿司目当てで「やる」と即決。
次の週から二人の歩き旅が始まりました。

どんなふうに歩いたかというと、
まず1回目は坂戸市の自宅から
東武東上線武蔵嵐山駅まで歩き、
電車に乗って帰宅。
2回目は車で武蔵嵐山駅まで行き、
そこから鉄道に沿った道を竹沢駅まで歩き、
竹沢駅から電車に乗って武蔵嵐山駅まで戻り車で帰宅。
そんな方法で大体1か月に1回、20kmぐらいずつ歩きました。
途中で自宅から日の出桟橋にも向かって歩きました。
数か月のブランクが何度かありまして
3年間ほどかかってしまいましたが、
次女6年生の夏に
18回の旅の末、無事日本横断に成功。
ゴールの直江津で
おいしいお寿司をおなかいっぱい食べることができました。
(ちなみに最終回だけ、寿司屋の直前のみ、妻と長女が参加しました・・・)

この旅は小学生にとってはかなりきつかったと思います。
真夏の炎天下、
日本一暑い北関東のアスファルトの上を
熱中症で倒れそうになりながら歩いたり、
熊におびえながら晩秋の旧中山道碓氷峠の急な山道を登ったり、
真冬の猛吹雪の中、
車が脇を通る度にシャーベット状の雪を全身に浴び、
手足が麻痺しながら新潟の国道を歩いたり・・・
とにかくいつも暑さや寒さや強風や坂など、
様々な障害と闘いながら、
ゴールを目指して頑張って歩いていました。
そんな時いつも心をいやしてくれたのが、
道端に咲く花達でした。
私も次女も無口なので、
歩きながらの会話はほとんどなかったのですが、
時々見かける花や草をきっかけにして、
「あれはリンゴの花で、この辺はリンゴがいっぱい採れるんだよ」とか
「アスファルトを突き破って出てくる雑草ってすごいね」とか
「学童保育所にあったヘビイチゴの実、ここにもあるね」とか
そんな話をしてあげたりしました。
そしてどこからともなく急に漂ってくるキンモクセイの香りは、
ぶっ倒れそうになりながら歩いた真夏の過酷な日々が終わったことを告げてくれる、
とてもやさしい、とてもうれしい香りとして、私たち親子を支えてくれました。

ま、そんなわけで、
次女は徒歩による日本横断を成し遂げた、
おそらく地球上で唯一の小学生(?)となったわけですが、
それで自信がついたのか、やる気がでたのか、
小学生最後の持久走大会では、
学年でビリから15番目ぐらいにまで躍進しました。
その後中学に入ってからはなんと運動部に入り、
(といっても運動部の中では一番ラクそうな部を選んだようですが…)
はたまた生徒会役員に立候補し、そして運よく当選し、
前向きにがんばって中学生活をエンジョイしたようです。
高校では英語劇部に入って舞台芸術の楽しさを知り、
現在、大学の芸術学部で舞台照明を学んでいます。
将来どんな壁にぶち当たろうとも、
乗り越えていける強さを持ってくれていると思うので、
身の回りを片付けられないだらしなさを除けば、
まあまあ立派に成長してくれたなあと思う今日この頃です。

キンモクセイの香りは、
私にとってとてもやさしい、とてもうれしい香り。
暑くてきつかった夏が終わり、
いよいよ過ごしやすい秋がやってきます。

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