愛犬と暮らす庭づくり ~愛犬の成長&犬にとっての名庭とは?~

2015年01月25日

愛犬の成長と住環境(青年期~介護期)

③青年期(~1年)
人間の年でいうと18歳くらい。成犬として心身共に完成した状態です。そしてこの頃にはそれぞれの犬種としての特性が明確になります。犬種に応じた運動量や遊びを教え、ストレスを溜めないようにしましょう。
・成犬に応じた運動スペースを確保するため、犬の行動範囲の拡張を計画しましょう。
・外散歩の頻度が増える時期なので、外→内へ合理的な動線計画を立てましょう。
→ブラッシング、足洗い場などのケアスペースの配置や土の持ち込みを少なくする床材を選びましょう。
・家の事情に合わせた飼い方を定着させ、犬が安心できる場所を確保しましょう。

④壮年期(~7年)
青年期を同じようにたっぷり愛情を注いであげてください。

⑤老年期(~10年)
人間の年でいうと56歳くらい。歯が抜け始め、老化現象(足腰・視力)が現れ始めます。犬も精神的に不安を感じ、神経質になりやすい時期です。今まで問題なく生活してきた、段差・坂・溝などが老化と共に危険箇所になります。
・階段、段差が危険になるため、緩やかなスロープにするなど、足腰に負担のかからないようにしましょう。
・老犬は気温差に対して、抵抗力がなくなります。季節に合わせた対策をしてあげましょう。

⑥介護期(10年~)
年を取ると不安で夜泣きする場合があります。不安感を和らげるため、家族の近くに犬小屋を置くか、家の中に入れてやりましょう。飼い主さんは具体的な老化のサインにいち早く気付き、理解してあげましょう。
・今まで口に入れなかったものまで舐めたり、食べたりする場合があります。植物や石など移動させるなど注意をしましょう。
・排泄物の垂れ流しなど、移動困難などから不衛生になりやすくなりますので、床素材等を検討しましょう。

犬にとっての「名庭」とは?

犬は、「嗅覚」や「触覚」など、高度に達した感覚情報から人より素晴らしい「感覚世界」を持っています。
その中で、もっとも重要な感覚器は「嗅覚」です。
臭いを介したコミュニケーションでは、その臭いが犬にとっての名刺のようなものなのです。また、この臭いは犬の生涯を通じ記憶に残るといわれています。
そして、次に重要なのは「触覚」です。目の上やあごの下に生えている感覚毛で物の形状や感触、空気の流れを感じることができるのです。

対して人は、物を認識するとき視覚が87%を占め、次に聴覚→嗅覚→味覚という順番で物を認識します。それは文明が進むにつれ、視覚と聴覚に偏ってきているといわれています。

人間は視覚に偏った庭のことを「名庭」と称賛しますが、犬にとっての「名庭」とは・・・
「臭いが豊富で」「触れる物に変化があり」「人の耳には届かない高周波の高い自然音があり」「風の動きで揺れ動く草花」…などその「素晴らしい感覚世界」を刺激する庭が、犬にとっての「名庭」なのです。

そんな名庭で犬は常日頃抑制されている「犬の習性」や「エネルギー」を解放し、自然の刺激を思う存分楽しめ、飼い主は犬の置かれている孤独な立場、その犬の性格を理解し思いきり遊んでやることが、愛犬にとって最も素晴らしい生き方なのではないでしょうか。

 

参考文献:上野博昭著 ペットガーデン 命を育む庭づくり

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